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コラム

美女の条件

美女は、古今東西さまざまな姿態で、絵画や彫刻のなかに表現されてきました。といっても、源氏物語絵巻や浮世絵ということになると、彼女らは存分にデフォルメされているので、写実的な範囲では、ビーナスやマリアというあたりがスタンダードな美女の系譜でしょうか。

 

ビーナスは、愛と美の女神として、ギリシヤやローマ時代の彫刻に、りりしいまでに均整のとれた姿として数多<残されています。その中でも<ミロのビーナス>は、今でも美しいプロポーションの代表のようにいわれています。その後、キリスト教が公認されたことによって、ビーナスは異教の神々の一つとなったものの、ルネッサンス期には、ギリシヤ・ローマへの関心の高まりとともに、例えば帆立貝の上に立っているビーナスを描いたボッティチェリの<ビーナスの誕生>などとなって、再び美術史に登場します。

 

その問、美女たちはどうしていたのかというと、赤と青と白という、国家公認のお約束の三つの色を使ったお洋服を着て、つまりマリアとして、絵画や彫刻の中に表現され続けます。もちろん官能的な性格はひかえめになり、精神的な思慕の対象としてではありますが。

 

さて、これらの美女の系譜を眺めて、共通することがあります。それは、豊かな胸にくびれたウエスト、やや張った腰、しまった膝に細い足首。片方の足に体重をあずけ少し腰をくねらせて、一方の足を軽く前に出し、その膝を内側に寄せ付けて立った姿として描かれることが多いように思います。

 

咬み合わせを整えながら体のバランスを調整している私は、彼女らの膝の美しさに惚れ惚れしてしまいます。この姿勢では、腰から膝へ、膝から足首へのラインが膝を境目に“く”の時になって流れます。このような膝を持つ人が歩くとしたら、たとえば頭の上下動といった無駄な動きがなく、背骨は左右均等に振れ、足首の関節も地面の傾斜にしなやかに対応できるのです。まさに、ヒト的歩容を保証するヒト的膝の典型です。

 

正常な膝では、大腿骨頭のまんなかと膝関節の中央、踵骨を結ぶ線(負荷線)がまっすぐになります。O脚では太ももの外側の筋肉に負担がかかり、X脚では内股の筋肉に多く負担がかがります。私か治療をしている範囲では、X脚よりO脚の方が圧倒的に多いようです。太ももの外側の筋肉が張って、内股の筋肉がゆるんでしまうタイプということになりますが、咬み合わせの狂いの症状として、膝の痛みや失禁が挙げられるのは、このあたりの事情によります。

 

私は、洗練された膝の動きを<美女の条件>と呼んで、半導体レーザーや鍼を使って、膝関節ヒト的動きとして洗練されるようコントロールに努めています。なんとなれば、美術史に見る美女たちは、みな、洗練された膝を持っているのですから。

 

ただし、膝が正常であることは、美女であることの必要条件(美女であるために必要とされる条件)ではあっても、十分条件(それさえあれば美女と言える)ではありませので、念のため。

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